極悪!明神・三国峠に挑む
先月コンポをティアグラからアルテグラに替えて、もっとも違いを感じているのがクランクだ。
ティアグラは中身までぎっしり鋳鉄で詰まっているのだが、
アルテグラは中空構造になっていて圧倒的に軽い。
平坦路で気をよくしていた僕は、アルテクランクを峠でも試してみたくなった。
よせばいいのに関東で有数の激坂「明神・三国峠」に挑んでみたくなった。
以前ストラバのフォロワーさんが足柄峠→明神・三国峠→道志みちを走っていたのでそれにならった。
足柄峠は金太郎さんの生まれ故郷。
坂バカ業界では明神・三国峠の影に隠れがちだけど結構きつい。
10キロほどのヒルクライムで中盤までは斜度5%前後の心地よい峠なのだが、
終盤3キロは平均10%が休みなく延々と続く。
一年前走ったときは、終盤でタレタレだったけど、
今回はクランク効果で少し余力を残して登坂できた。
やっぱヒルクライムは機材=金の力やね。
インスタ映えをひとしきり撮ったあと小山町までダウンヒル。
さらに4~5キロ走ったら明神峠入り口に着く。
思い出すのが去年の秋、明神峠は今回と逆ルートで山中湖から下った。
その時すでに日が暮れ、辺りは真っ暗闇、
勾配18%のダウンヒルは手が凍えブレーキングがままならないコンディションで、
つらいを通り越して恐怖だった。
「あん時はよくもやってくれたな・・・」
完全な逆恨みだが、心意気は敵討ちである。
明神峠は出だしから10%を超える勾配だ。何も知らずに登ると出鼻をくじかれる。
しかし足柄峠で散々きつい勾配を走ってきた後なので体が順応し、出鼻をくじかれることはなかった。
ただ淡々と登坂するのみ。
これがヒルクライムのコツなのだが、僕の場合はグングンと心拍数が上昇していく。
最大心拍206、中学生か!
「この調子なら激遅だけど足つき無しで踏破できそうだ。
悪名高い明神峠でも金の力の前には屈する!」
そんな風に勝った気でいたのだが、最大斜度18%で道に滑り止めのまるい溝がついた、
いわゆるドーナツ区間に入った瞬間「ピキピキッ」とふくらはぎが痙攣した。
これはたまらんと急いでビンディングを外し足をついた。
「敵討ちならず・・」
しかし無念さは微塵もなく、休んで背後に広がる美しい眺望を堪能できることがうれしかった。
その後は再び足がつらないよう気にしつつ頂上の山中湖村入り口に到着した。
山中湖村に入って目に飛び込んだのは、
3日前の季節はずれの雪が積もった山肌と、白くそびえる富士山だった。
秋の頃はススキが夕焼け色に染まり、晩秋の物寂しさをたたえる心に染み入る風景であったが、
今は純白の山肌、澄み渡る青空、雪化粧した富士山のド派手なコントラストが圧巻の景色だった。
季節や時間が違うと印象が異なる。今まで行った場所を何度も訪れねば。
2019.4.13 K.D
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